ECサイトの運営で 売上を左右する重要な要素 は、商品写真です。食品ECでは特に、写真1枚が「美味しそう」「食べたい」という購買欲を直接刺激します。しかし、「ただ綺麗な写真」ではなく、 ECサイトに最適化された写真 が必要です。
本記事では、食品EC運営者向けに紙面用写真とEC用写真の違いや「売れる写真」とは何かについて詳しく紹介します。
紙面用写真とEC用写真の違い
紙面用写真とは?
雑誌やパンフレットなどの紙媒体に使用される写真で、1枚の写真を通して「美しさ」や「ブランド価値」を最大限に伝えることを目的としています。視覚的なインパクトや構図、ライティングにこだわり、ブランドの世界観やストーリーを表現する役割を果たします。紙面の限られたスペース内で強い印象を与え、読者の共感や興味を引き出すことが特徴です。
- 高品質な1枚:光や構図にこだわり、1枚の写真にすべての情報を詰め込む。
- 横長写真が主流:紙面デザインやレイアウトに合わせ、横長写真が使われやすい。
例)高級グルメカタログに掲載される「蟹の盛り合わせ」
鮮やかな赤色の蟹脚が美しく並び、みずみずしい艶が光に照らされて際立つ1枚。皿に盛られた蟹の姿と添えられたライムが上質さと新鮮さを引き立て、視覚だけで「美味しさ」と「贅沢感」を伝える写真です。
EC用写真とは?
EC用写真とは
ECサイトで商品を販売するために使用される写真で、「リアルさ」と「商品の様々な情報」を重視することが特徴です。お客様が実際に手に取れない分、商品の質感やサイズ感、使用シーンなどを多角的に伝える役割を担います。複数のカットや詳細な写真を掲載することで、購入前の不安を取り除き、信頼感を高めることが目的です。視覚的な美しさだけでなく、商品の特徴や魅力を正確に伝え、購入の後押しをすることが求められます。
- 複数のカットが必要:最低5枚以上、多角的な視点から商品を見せることで購買意欲を高める。
- 正方形・縦長が主流:スマホ最適化を意識し、正方形や縦長の写真が効果的。
例)パッケージに入った状態から、焼き上がった芋の姿、手で割った瞬間に溢れる湯気と蜜たっぷりの断面で、リアルな美味しさを表現。多角的なカットで商品の「新鮮さ」「温かさ」「甘さ」が伝わり、視覚だけで購入者の食欲と期待を刺激する構成です。
比較表:紙面用写真 vs EC用写真
項目 | 紙面用写真 | EC用写真 |
目的 | 美しさやブランド価値の訴求 | 商品情報をリアルに伝え購入を促進 |
枚数 | 1~2枚 | 最低5枚~10枚以上 |
構図 | 横長が主流 | 正方形・縦長が中心 |
要素 | 美しい背景や光の演出 | 質感、シズル感、手に取ったような視点 |
掲載場所 | 雑誌広告、パンフレット | ECサイトの商品ページ、サムネイル |
紙面用写真は “1枚で魅せる美しさ” を重視するのに対し、EC用写真は “複数のカットで情報提供と購買意欲を高める” ことが目的です。
食品ECでの「売れる写真」とは
食品ECでは実物を確認できないため、写真が商品の魅力を伝える「実店舗の代わり」となります。リアルさを重視し、サイズ感や質感、新鮮さを正確に見せることで購入者の不安を解消し、美味しさや利用シーンを想像させることが重要です。
顧客の不安を解消する写真
- 「大きさはどれくらい?」 → 手に持った写真、パッケージの比較
- 「本当に美味しいの?」 → 食品の質感やシズル感のある写真
- 「使いやすいの?」 → 開封状態や取り出しやすさの写真
- 「贈り物にできるかな?」→お届け先に届く包装した状態の写真
写真の種類 | 内容 | 例 |
パッケージ写真 | 商品の外観・ラベル・大きさ | 商品箱や袋、成分表示 |
サイズ感 | 手に持つ、他の物と比較する | 手のひらにのせたほたて貝柱 |
未加工状態 | 解凍前や未調理の状態 | 冷凍状態のほたて貝柱 |
素材の写真 | 食材の断面、質感、みずみずしさ | ほたて貝柱のアップ |
調理後の写真 | 食べたくなるような調理写真 | ほたてバター焼き |
利用シーン | 実際の食卓や盛り付け | 家族だんらんの食卓風景 |
これらの写真を用意することで、顧客は安心して購入でき、 離脱率の低下 と 注文率の向上 に繋がります。
スマホで見やすい正方形・縦長写真も必須
食品ECでは多くの顧客がスマホで商品を閲覧するため、正方形や縦長の写真が効果的です。これらのフォーマットは画面いっぱいに表示され、商品の魅力や情報を視覚的にしっかり伝えることができます。特に、パッケージの詳細や使用シーンを見せる際に、スマホ対応の写真は購入意欲を高める大きな要素となります。
なぜ横長写真は不利なのか
従来のPCサイトでは横長写真が見やすかったものの、現在はスマホが主流です。スマホ画面では、横長写真は 小さく見えて情報が伝わりにくい です。
- 横長写真 → 拡大しないと詳細が見えない。
- 正方形・縦長写真 → 画面いっぱいに表示され、詳細が一目でわかる。
正方形の写真
正方形の写真はPCやスマホ、Googleショッピングのサムネイル表示などで多く使われており、視認性が高く商品を効果的にアピールできます。さらにSNSや広告でも統一感を持たせやすく、複数の場面で魅力を伝えられる点が強みです。
一般的に使われるフォーマット
- パソコンページやスマホページのサムネイル
- SNS投稿(Instagram、Facebookなど)
- Googleショッピング
- 広告バナー
まとめ:売れる写真がECのコンバージョン率を大きく左右する
ECサイトでは、写真が「実物を見られないお客様」にとって最も重要な判断材料です。魅力的でリアルさを伝える写真は、商品の信頼感を高め、購入への後押しになります。しかし、「写真が数枚しかない」「撮影の手間がかかる」と後回しにしてしまうのは非常にもったいないことです。
適切なフォーマットや多角的な視点から撮影された写真を用意することで、コンバージョン率の向上に繋がります。写真の撮影方法のご相談や、EC用写真撮影の対応も可能です。お困りの方は気軽にご相談ください。