生鮮食品をECで販売していると、「思ったより小さい」「色が薄い」「少し傷がある」といった問い合わせは避けて通れません。自然由来のため、サイズや色味にばらつきがあるのは当然ですが、それをお客様は“品質不良”と受け取ることがあります。当初はお客様の申し出をそのまま受け入れて返金や再送を行っていましたが、その結果、対応コストが膨らみ、同様のクレームも増加しました。本記事では、こうした失敗から学んだ教訓と、事前案内や実物確認、社内ルール化によって改善した取り組みを紹介します。感覚的なクレームに振り回されないための具体的な対応策を整理しました。
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生鮮食品ECでよくあるサイズや見た目のクレーム対応
1. 実際に起きたクレーム事例

生鮮食品をECで販売していると、どうしてもお客様からのクレームは発生します。生鮮食品のECショップで、例えばこんな声がありました。
- 「思ったより小さい」
- 「写真よりも色が薄い」
- 「少し傷がついていた」
実際には規格通りの商品を発送していても、お客様の“見た目の印象”によって不満につながるケースが少なくありません。生鮮品は自然由来のためサイズや色味にばらつきがあるのが当たり前ですが、それがそのままクレームの原因になってしまうのです。
2. 最初の失敗と気づき
当初は、お客様からの申し出をそのまま受け入れ、返金や代替品の再送をしていました。しかし、その結果…
- 返品されないままの再送が増え、コスト負担が大きくなった
- 本当に規格外だったのか確認できず、対応基準があいまいになった
- 「言えば対応してくれる」と思うお客様が増え、同様のクレームが繰り返された
このままでは持続的に運営できないと痛感しました。
3. 対応策と仕組み化
そこで次のような対応を導入しました。
- 事前案内の徹底:商品ページやパンフレットに「自然由来のため多少の差異があります」と明記。注文確認メールや同梱物にも繰り返し記載し、お客様が見落とさないようにしました。
- 証拠確認のルール化:商品に不備を感じた場合は、原品を保管していただき返品してもらう。廃棄してしまう前に写真を撮影して送ってもらうよう依頼。
- 社内マニュアル化:クレーム対応フローを文書化し、「規格範囲内かどうか」で判断。スタッフ全員が同じ基準で対応できるようにしました。
この取り組みによって、お客様の“感じ方”だけに左右されず、客観的な基準で対応できるようになりました。
4. 学びとTips
- 事前に伝えておけばトラブルは減る → 商品ページ・パンフレット・確認メールの複数箇所で案内すること。
- 現物や写真の確認を必須にする → 主観的なクレームを客観的に処理できる。
- 対応ルールを決めて社内で共有する → 担当者ごとに対応がぶれず、責任の所在も明確になる。
まとめ
生鮮食品を扱うECでは、「自然由来のばらつき」と「不良品」をきちんと線引きする仕組みづくりが欠かせません。対応をあいまいにすると、返金や再送が増え、事業者にとって大きな負担となります。事前案内・証拠確認・対応ルールの統一を徹底すれば、感覚的なクレームに振り回されず、安定した運営とお客様の信頼獲得につながります。
