ECサイトでは、収穫や水揚げの状況、メーカーの都合などにより「配達日指定ができない商品」が存在します。お客様も「指定できない理由」は理解して購入してくれますが、実際には「いつ届くのか分からない」ことが不安や問い合わせ、時にはクレームにつながります。本記事では、実際に起きた事例をもとに、よくあるトラブルと失敗からの気づき、改善のための具体的な対応策を紹介します。単に「指定できません」と書くだけでは不十分であり、目安の提示や進捗連絡といった“安心感を与えるフォロー”が、顧客満足とリピートにつながるポイントであることを解説します。

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配達日指定ができない商品の不安をどう減らす? ― ECでの対応事例と工夫

1. 実際に起きたクレーム事例

生鮮食品や季節商品のように、生産や入荷が不定期な商品は「配達日指定ができない」と記載したうえで販売していました。ショッピングカートでも指定不可の設定をしていましたが、それでもトラブルは発生しました。

  • お客様は「指定できない理由」は理解している
  • しかし「1週間で届くのか、10日後なのか、1か月先なのか」目安が分からない
  • 「まだ届かない」「発送メールを見落としたのでは」と不安になり、問い合わせやクレームにつながる

このように「届かない不安」が、結果的にお客様の不満を生む要因となっていました。

2. 最初の失敗と気づき

当初は、商品ページに「配達日指定はできません」と記載しておけば十分だと考えていました。しかし実際には…

  • 記載があっても、お客様は「いつ届くのか分からない不安」を抱える
  • ページに書いているだけでは、問い合わせやクレームを抑えられない
  • 結果として「不親切なショップ」という印象を持たれる

「配達日の指定不可」と伝えるだけでは不十分で、お客様が安心できる情報の補足が必要であることに気づきました。

3. 対応策と仕組み化

改善のために、次のような取り組みを行いました。

  • 目安をページに明記:「8月〜9月のお届け予定」「年末は12月30日〜1月1日の間に発送」など、時期の目安を記載。
  • 進捗状況のフォロー連絡:注文から1週間を超える場合、入荷状況や発送見込みをメールで報告。
    例:「当初1週間程度を見込んでおりましたが、天候不良により遅延が発生しています。あと1週間程度かかる見込みです」
  • 顧客安心感の醸成:定期的にフォロー連絡をすることで、「このお店はちゃんと状況を伝えてくれる」と安心感が生まれる。

この対応により、クレームが減り、リピート購入にもつながる効果がありました。

まとめ

配達日指定ができない商品は、ページに「指定不可」と記載するだけでは顧客の不安を解消できません。むしろ「いつ届くのか分からない」という不安が、問い合わせやクレームを引き起こします。そこで重要なのは、お届け時期の目安を提示し、必要に応じて進捗連絡を行うことです。こうした丁寧な対応によって、お客様は「このお店なら安心できる」と感じ、リピーターとして長く付き合ってくれるようになります。配達日指定不可の商品こそ、顧客視点での情報提供とフォローが欠かせないのです。